光沢を出すクリア(グロス)PP貼りとは異なり、マットPPは艶を消して落ち着きや高級感を演出することができるPP加工です。
プレスコートのような表面加工ではマット調を出すことが出来ませんが、ニス引きやビニール引きは、マット剤を溶剤に混ぜることによって表面に凹凸を付けてマット調を出します。
ですが、マットPP加工はフィルム自体に凹凸が付いており、そのフィルムを印刷物に貼ることでマット調を出しています。
溶剤にマット剤を混ぜるより、フィルム自体がマット調になっているPP加工の方が、品質や見た目の良さは良いと言えるでしょう。
また、耐久性も向上します。一般的なPP加工として印刷物の耐久性が上がるのは勿論ですが、ニス引きやビニール引きと比較した際の「マット調」の耐久性も、PP加工が一番強いのです。
では、「マット調」の耐久性とは何かと言いますと、加工後の印刷物が擦れ合った際や、指で擦った際などにキズが付きにくいかどうか、といったことになります。
マット剤を混ぜる加工でも、最初からフィルムに凹凸が付いているPP加工でも、表面が擦れると凹凸が消えて平滑度が上がってしまい、クリアPPと同じように光沢が出てしまいます。
この光沢が出ることで、印刷物にキズが付いたように見えてしまうのです。
PP加工はニス引きなどと比較し、擦れによるキズは付きにくいのですが、やはりキズ自体を完全に防ぐことはできません。
当社でも加工中に気を付けてはおりますが、断裁・抜き・製本などの後加工の際は、クリアPPよりも更に気を付けて加工して頂ければと思います。
また、どうしてもキズを防ぎたい!だけどマット調にしたい!という場合は、「耐キズ用」のマットPP加工という物もあります。
これは端的に言うと、擦れによるキズ付きに強い、マットPPフィルムです。
耐キズ用マットPPフィルムは、通常のマットPPフィルムと比べると価格は上がりますが、キズへの強さは間違いありません。
高級パッケージや紙袋には勿論ですが、大事な冊子やキズが付くと目立ってしまう黒ベタの多いデザイン物には、耐スクラッチ性マットPPがお薦めです。
ご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせ下さい。